ガンステッドカイロプラクティック

ガンステッドカイロプラクティックの歴史

Dr.ガンステッド[Dr. Clarence S. Gonstead(1898-1978)]は1898年に生まれました。

彼は、若い頃に関節リウマチを患いました。

治療を受けるも、当時の医療では治療効果を得られなかったので、彼はカイロプラクティックのケアを受けることになり、そこから彼は回復していきます。

この経験をきっかけとして、メカニック・エンジニアの仕事を辞め、アメリカのアイオワ州ダベンポートにあるパーマー大学(Palmer College of Chiropractic)を1923年に卒業し、DC(Doctor of Chiropractic)となりました。

パーマー大学を卒業後、Dr. ガンステッドは、ウィスコンシン州のマウントハーブ(Mt. Horeb)に自分のクリニックをオープンし、1978年に亡くなるまでの55年間に100万人を超える患者さんを治療しながら、自らの「ガンステッド・テクニック」を発展させました。

さらに、Dr. ガンステッドは多くの患者さんを治療していく中で、彼の功績を知って訪ねてきた多くのカイロプラクターにセミナー等を行い、技術や知識を教えていくことも行いました。

「独自の骨盤分析(Pelvic Analysis)」

「矯正(アジャストメント)専用テーブルの開発」

「ナーブスコープ(Nervoscope)の活用」

「全身撮影されたレントゲン(Full Spine X-Ray)とその分析手法」

も発展させました。

これらにより、ガンステッドシステムは詳細で緻密な分析に基づく科学的な説明が可能となり、この分析に基づく的確なアジャストメント技法によって、多くの治療結果が予想可能となるとともに安全性と効果が確立されていきます。

この技術は現在世界中で教えられ、多くのカイロプラクターによって実践されています。

c.s gonstead 画像

1964年にDr. ガンステッドは約2,695㎡に及ぶ広大なオフィスを建設しました。

このオフィスには、全米中や世界中から彼の治療を受けにくる患者さんやセミナーを受けに来る他のカイロプラクターのためにホテルも併設されていました。

このクリニックは、現在でも最大のカイロプラクティックオフィスとして存在し、ガンステッドシステムを引き継いだDC(ドクターオブカイロプラクティック)により多くの患者さんを診ています。

また、ガンステッドシステムを学ぶ多くのカイロプラクターのために、セミナー開催場所としても活用されています。

ガンステッドクリニックの画像

ガンステッド・カイロプラクティックの基本原理

建物の土台がしっかりしていることは耐久性、耐震性にとって非常に重要なことです。ほんのわずかな変化が、大きなずれを建物の上部に生じさせ建物が壊れてしまう場合もあります。

身体の土台をなす部分は「骨盤」です。

「骨盤」が安定していると脊柱(背骨)は最もバランスのとれた状態を保つことができます。

建物と同様に、脊柱が傾いたり回転するなどしてわずかなずれを生じると、身体に大きな影響を与え始めます。

小さなずれが脊椎の間にある椎間板に圧力を加え、脊柱の歪みを起こすようになります。

圧力が加えられた椎間板は膨れたり、押し出されたり、ヘルニアとなって近くにある神経組織に影響し炎症を起こします。

このため、身体の様々な機能のコントロールを行っている神経信号の伝達を妨害し、痛みやしびれといった感覚のみならず、関連する各器官にも影響を与えるようになります。

通常、身体は下の部分の脊柱にずれがある場合は、上の部分の脊柱によって補うことにより身体全体としてまっすぐに立てるようにします。

骨盤を中心とした身体の土台部分に歪みがある場合でも、すぐには症状として表れるのではなく、長い年月を経て身体全体で補えなくなって初めて様々な症状として現れてきます。

首や背中など症状が出ている部分にアジャストメントを行った場合でも短期的な効果は得られます。

しかしながら、根本的な問題となっている土台部分のアジャストメントなしでは身体全体のバランスを取り直すことはできません。

すべての人がそれぞれ異なった状態で歪みを持っています。

ガンステッド・カイロプラクティックによるケアは、それぞれの歪みの状態にあわせて的確にアジャストメントを行うことにより根本的かつ長期的なケアが可能となります。

積み木画像

1. 視覚化(Visualization)

視覚化(Visualization)は患者さんがドアから入ってきた瞬間から始まります。

全身の確認を行い、肩や耳の高さの違いや腰の位置の左右差に加えて姿勢や歩き方(gait)も確認し、これらの情報をレントゲンや触診で得られた情報と合わせて総合的な判断を行います。

Visualization 画像

2. 計器の使用(Instrumentation)

計器の使用(Instrumentation)はガンステッドシステムの中でも重要な検査のうちの一つです。

背骨に沿って2つの温度センサーを備えたプローブを持つナーブスコープ(Nervoscope)を使用し、不均一な温度変化がある箇所をピンポイントで的確に見つけ出します。

また、アジャストメントが効果的に適用されたかを確認するためにも使用されます。

  • ナーブスコープ画像
  • サーモグラフィー検査画像

3. 静的触診(Static Palpation)

静的触診(Static Palpation)は脊柱と骨盤に沿った触診により皮膚表面の輪郭、肌触り、温度と合わせてはれ、しこり、炎症性変化、点状出血、しみ、あざなどがないかを確認します。

この時に筋肉の硬さや張りの程度も合わせて確認を行い、触診による痛みや違和感がある場合には都度伝えるようにしてもらいます。

静的触診画像

4. 動的触診(Motion Palpation)

動的触診(Motion Palpation)は計器の使用(Instrumentation)によって見つけられた脊柱の位置において、各脊椎のリスティング(ずれの方向)を決定するために行われます。

体を様々な方向に動かしながら脊椎や骨盤の動きを確認し、どの方向に動きやすいか、または動きにくいのかを確認します。

また、アジャストメントの効果を再確認する場合にも行われます。

動的触診画像

5.レントゲン(X-Ray)

正面と側面から撮影された全身のレントゲン画像(X-Ray)は各脊椎と骨盤の詳細な分析を可能とし、触診で得られた情報をより具体的で正確なものとしてくれます。

また、骨の変性や椎間板の状態を視覚的に確認できるため患者さんへの説明時にも使用されます。

その他、主な症状以外にも潜在的に潜んでいる骨格上の問題点も明らかにする場合があります。

Gonstead Adjustment(ガンステッド アジャストメント)

すべての必要な検査と分析を行った後、アジャストメントを行う準備が整います。

ガンステッド アジャストメントの最も重要なところは、問題の起こっている箇所にのみ正確で的確なアジャストメントを適用することです。

最も的確かつ痛みのないアジャストメントを行うために、最大限の注意を払いながら該当する脊柱もしくは骨盤を正しい方向と位置へ導いていきます。

アジャストメントには以下の写真にあるテーブルを使用します。実施する部位により使用するテーブルが異なります。

ペルビックベンチ(Pelvic Bench)

主に骨盤と腰椎のアジャストメントで使用します

ニーチェストテーブル (Knee Chest Table)

ハイローテーブル(Hi-Low Tables)

どちらも骨盤から頚椎まで幅広く対応できます。右側のニーチェストテーブルは、自然な背骨のカーブを再現するとともに、お腹の大きな妊婦さんでも安心して受けていただけるようになっています。

サービカルチェア(Cervical Chair )

スコープ検査と頚椎から上部胸椎のアジャストメントで使用します。

宮田カイロプラクティック